STYLE COFFEE

2021/03/16 20:13

壁の絵

朝晩と気温が下がり、快適に過ごせる日が続いています。
もう後4ヶ月で今年も終わりですよ。
忙しく過ごしていきたいと思います。

先日お店に水墨画家のお客様がいらっしゃいました。
風貌も芸術家という感じの奇抜さ、だけど目配せや所作はキリッとしている70歳くらいの方でした。
とてもお話が面白く会話が弾みました。
その方曰くニュースから得ることは何もないし常に自由でいたいということで携帯もテレビも新聞も時計もお風呂もないとのとでした。
自由でいることとお風呂はどういう関係なのか聞き忘れましたが。
近くで展示があるとのことで立ち寄ってくれたそうです。
あとで名前を調べると有名な方でした。
ご自身の作品を色々なお店の壁などにもよく飾られているそうで、よくシェフやお店の方と話をする機会があるそうです。
そこで興味あることをお話しされていました。
「料理人は五感を使って料理を作るべき。味覚を鍛えるのに精一杯で他の感覚を全く使えていない。特に視覚を意識できていない。料理を美味しくするのはわかるけれどそのお店の壁の色や飾られているモノについて意識を向けている料理人は少ない。美味しい料理を作るなら視覚も重要だ」
何か自分が言われている様な感じでハッとさせられました。
コーヒーを淹れる所作や店の雰囲気、家具の配置にもっと気を配らないといけません。
美味しいコーヒーを作るのは当たり前でそこからプラスアルファできることはたくさんあります。
飲む環境もすごい重要です。

最後にその方から「今何時?」と聞かれました。9時過ぎですと伝えるとやばい遅刻だと言って急いで店を出ていきました。
そうか時計持ってないんですよね。

Costa Rica Gesha

今季、初めてのスペシャルロットの登場です。
Costa Rica / La Candelilla
Farm : Finca Palmillera
Location : Tarazzu
Process : Natural
Variety : Gesha
Altitude : 1400-1900m

今回も商品になるまでの葛藤をお伝えしたいところですが、いい豆は何しても美味しいとよく言われることがあります。
まさにその様な豆で珍しく初めから自分にとって心地よい範囲のコーヒーが焼けました。
水分値10.4%、密度877g/lと印象的には水分値は標準で密度は高いなと印象を受けました。
ナチュラルプロセスということもあり前半カロリーを煎れて後半ゆっくり煎れるイメージでプロファイルを構築しました。
1回目のローストは案の定、最初から火がたくさん入る豆でどんどん豆温度が上昇していきました。結果、イメージしていた時間よりもだいぶ仕上がりが早くなってしまいました。
やってしまったなと。
普段は基本的に味が安定する1週間後にまとめて品質チェックのためにカッピングを行うのですが恐る恐る次の日にチェックしました。するとすでに味が開いてました。
開いていると言ってもまだぼやけているし質感に伸びはないのですが焙煎から次の日にフレーバーの量がこんなにあるのは驚きです。
最初の印象はウリのぬか漬け、後味にトロピカルフルーツ、シナモン、発酵茶。
エイジングが安定してカップをするとメロン、パイナップルキャンディー、トロッとした質感が甘さをより引っ張ります。
ただやはり、トータルの焼き時間が短いので液体の厚みが少ない様に感じました。

それを踏まえて2回目のローストでは前半のガスを抑えてトータルの焼き時間を伸ばしました。
味のボリュームが出ました。
しかしキャラメライズされた玉ねぎと一緒で焼く時間が長いとトロトロの質感そして甘味が増すのですがフレッシュ特有の本来の香りやシャキシャキ感は失われます(私はフレッシュな玉ねぎ食べれませんが。あれって食べた後ずっと口にいるんですよね。なんでなんでしょうか。ロングアフターってこういうことなんでしょうか。ドラキュラがニンニク嫌いなら玉ねぎや長ネギも苦手なはずなんですよね)なので1回目のトータル時間が短いプロファイルに比べてフレーバーは少しおとなしくなった印象を受けます。

ただここで重要な観点はカップのバランスです。
いかに香りが良くてもカップにしたときに質感がドライだったり後味が伸びなかったりしたら美味しいコーヒーとは言えないんじゃないでしょうか。
豆の個性を引き出し、尚且つ液体にしたときのバランスを考える。そこが重要です。
そんなコーヒーです。

ゲストバリスタ 小倉くん

先日、東京のKOFFEE MAMEYAの小倉くんにお越しいただき当店にてコーヒーを提供してもらいました。
使用したコーヒー豆は
Panama Ninety Plus Gesha Estate Perci
Variety:Gesha
Process:Natural(Hot Fermentation)
Roasted by MOMOS COFFEE
Taste note : Cacao Nibs, Tropical Fruits, Super complex, Big
とにかくビッグフレーバーで味噌やカカオニブが前半にきて後味にトロピカルフルーツ。
液体の温度が下がってくるとフレーバーの変化が目まぐるしく変わるユニークなコーヒー豆でした。
Ninety Plus社のコーヒーの品質は高くよく世界大会にて使用されます。パナマ ゲシャの時点で品質は期待できますがさらにプロセス内容が企業秘密というそんな生豆の会社です。
毎日飲むコーヒーではないのかもしれませんが経験として飲むには間違いないコーヒーです。勉強になりました。

そんな小倉くんに今回はカッピングをお願いしました。
ただいつものカッピングとは異なります。
私たちロースターはカッピングをする際は常に同じ環境を作りコーヒーを評価します。
良い点悪い点を明確にし次の焙煎に活かします。
KOFFEE MAMEYAはコーヒーの抽出をメインに世界各国のロースターさんと繋がりのあるスペシャルな集団です。
焙煎はせず抽出と多岐にわたる種類のコーヒー豆を扱う彼らの品質チェックはカッピングではなく実際に抽出したものを評価します。
というのもお客様に飲まれる形に近い形式で評価します。
なので今回も抽出したコーヒーでの評価をお願いしました。

小倉くん

抽出レシピ
13g 208g V60 140sec 5投

ナチュラルプロセスのコスタリカらしい厚みのあるとろっとした甘さとゲイシャ由来の上品で紅茶のような綺麗で伸びのあるアフター。
プロセス由来の発酵感とゲイシャ種の持つ華やかなキャラクターがうまく作用してまさに紅茶のようなフレーバーが印象的。
暖かい時はダークチェリーや葡萄のような印象だったが、冷めてくるとまるで赤肉系のメロンのよう。
チョコレートのような甘さもしっかりと感じられ複雑でありながらとてもバランスの良いコーヒー。
温度変化も楽しみながら時間をかけて飲みたい。

フィードバックありがとう!

戒め

小倉くんのお客様へのプレゼンテーション能力の高さが物凄い。湯水のごとく情報を浴びせる。
聞いていて清々しい。
KOFFEE MAMEYAには是非一度は行っていただきたいです。
お客様のニーズをがっちり掴むコミュニケーションや新しい体験をきっとさせてくれると思います。
この様に情熱を持ってコーヒーの知識をお客様に提供している姿を見て強く戒めたことがあります。
専門職にとって情報弱は悪だなと。
常に新しい情報(抽出方法や精製方法など)が溢れ出てくる業界においてアンテナを向けていないと恐らく自身の成長スピードは緩やかになりお客様に質の悪い情報を与えてしまうのではないでしょうか。
得た情報は取捨選択しアウトプットをして次に進む。
当店のコンセプトでもある常に進歩的であることを思い出した秋の初めでした。

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